Windows Update で KB890830(悪意のあるソフトウェアの削除ツール) が以下のような症状で困っている方向けの完全解決ガイドです。
- 0% のまま進まない・ずっと終わらない
- ダウンロードできない・ダウンロードエラーになる
- インストールに異常に時間がかかる・遅い
- 毎月繰り返しインストールされる
Windows 10 / Windows 11 / Windows Server 環境で対応できます。
KB890830(悪意のあるソフトウェアの削除ツール)とは
KB890830 は Microsoft が毎月配布する Windows Malicious Software Removal Tool(悪意のあるソフトウェアの削除ツール) のこと。
ウイルスやマルウェアをスキャン・除去するためのツールで、毎月の Windows Update で自動的に更新されます。
更新のたびに最新バージョン(例: 悪意のあるソフトウェアの削除ツール x64 - v5.141)が配布されるため、毎月 Windows Update に表示されるのは正常な動作です。
症状別 解決方法
✅ 症状① 0%のまま進まない・ずっと終わらない
最もよくある症状です。順番に試してください。
手順1:Windows Update トラブルシューティングツールを実行
Windows 10 の場合
スタート→設定→更新とセキュリティトラブルシューティング→追加のトラブルシューティング ツールWindows Update→トラブルシューティング ツールの実行
Windows 11 の場合
スタート→設定→システムトラブルシューティング→その他のトラブルシューティング ツールWindows Updateの実行をクリック
「問題を特定できませんでした」と表示されても、実際には修復されている場合があります。そのままPCを再起動して Windows Update を再実行してください。
手順2:SoftwareDistribution フォルダをリセット
Windows Update のキャッシュフォルダをクリアします。管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下を順番に実行してください。
net stop wuauserv
net stop bits
net stop cryptsvcren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.oldnet start cryptsvc
net start bits
net start wuauservその後 PC を再起動して Windows Update を実行してください。
手順3:sfc コマンドでシステムファイルを修復
管理者権限でコマンドプロンプトを開き実行します。
sfc /scannow完了後に再起動し、Windows Update を再試行してください。
✅ 症状② ダウンロードできない・ダウンロードエラー
手順1:BITS(バックグラウンド転送サービス)を再起動
管理者権限でコマンドプロンプトを開き実行します。
net stop bits
net start bits手順2:Windows Update コンポーネントをリセット
net stop wuauserv
net stop bits
net stop msiserverren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.oldnet start msiserver
net start bits
net start wuauserv手順3:プロキシ設定を確認(企業ネットワークの場合)
WSUS やプロキシを経由している環境では、以下のコマンドでプロキシ設定をリセットします。
netsh winhttp reset proxyその後 PC を再起動して再試行してください。
✅ 症状③ インストールに時間がかかる・遅い
まず確認:バックグラウンドで動いているだけの可能性
KB890830 はインストール後にシステム全体のマルウェアスキャンを実行するため、スキャン中は CPU・ディスクの使用率が上がり、数十分〜1時間程度かかることがあります。
タスクマネージャーで MRT.exe が動いていれば正常です。そのまま待つのが正解です。
長時間(数時間以上)動かない場合
症状①の手順1・手順2を実施してください。
✅ 症状④ 毎回繰り返しインストールされる・不具合が続く
KB890830 は毎月新バージョンが配布されるため、毎月表示されるのは正常です。
ただし、同じバージョンが何度もインストール失敗→再試行を繰り返している(不具合状態)場合は以下を試してください。
手順1:更新履歴を確認してエラーコードを特定
設定→Windows Update→更新の履歴KB890830のインストール失敗のエラーコードを確認
エラーコード別の対処は次のセクションを参照してください。
手順2(WSUS環境の場合):クライアント情報をリセット
WSUS 環境で繰り返す場合は、クライアント情報をリセットします。
net stop wuauservreg delete HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\WindowsUpdate /v AccountDomainSid /f
reg delete HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\WindowsUpdate /v PingID /f
reg delete HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\WindowsUpdate /v SusClientId /fnet start wuauserv
wuauclt /resetauthorization /detectnowエラーコード別 対処法
| エラーコード | 意味 | 対処 |
|---|---|---|
0x8024001e | ダウンロードが中断された | 症状②の手順1・2を実施 |
0x8024500c | WSUS との通信エラー | ドメインポリシーを確認 / 症状②の手順3を実施 |
0x80070643 | インストールに失敗 | sfc /scannow を実行後に再試行 |
0x800f081f | ソースファイルが見つからない | DISM コマンドで修復(下記参照) |
DISM コマンドでの修復(管理者権限):
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealthそれでも解決しない場合
KB890830 を手動でダウンロードして実行
Microsoft の公式ページから直接ダウンロードして実行できます。
「x64」と書かれたファイルが 64bit PC 用です。ダウンロード後に .exe ファイルを実行し、スキャン完了後に Windows Update を再試行してください。
Windows Update コンポーネントを完全リセット
net stop wuauserv
net stop cryptsvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptsvc
net start bits
net start msiserverまとめ
| 症状 | まず試すこと |
|---|---|
| 0%から進まない | トラブルシューティングツール → SoftwareDistribution リセット |
| ダウンロードできない | BITS 再起動 → プロキシ確認 |
| 時間がかかる | MRT.exe が動いていれば正常(待つ) |
| 繰り返される | 更新履歴のエラーコードを確認 → WSUS リセット |
症状に合った手順を上から順に試していけば、ほとんどのケースで解決できます。
解決しない場合はコメント欄にエラーコードを記載してください。
よくある質問(FAQ)
Q. KB890830 とは何ですか? 削除しても大丈夫ですか?
A. KB890830 は Microsoft が毎月配布する「悪意のあるソフトウェアの削除ツール(MRT)」です。マルウェアのスキャン・除去を行うセキュリティツールのため、削除せずそのままインストールすることを推奨します。
Q. KB890830 が毎月表示されるのは不具合ですか?
A. 正常な動作です。Microsoft が毎月新バージョンを配布するため、毎月 Windows Update に表示されます。同じバージョンが繰り返し失敗している場合は「症状④」の手順を試してください。
Q. インストール中に CPU やディスクが高負荷になるのはなぜですか?
A. KB890830 のインストール後に MRT.exe(悪意のあるソフトウェアの削除ツール本体)がシステム全体をスキャンするためです。数十分〜1時間程度で完了するので、そのまま待つのが正解です。
Q. 0% のまま何時間も動かない場合はどうすればいいですか?
A. タスクマネージャーで MRT.exe の動作を確認してください。動いていれば正常です。何も動いていない場合は症状①の「SoftwareDistribution フォルダをリセット」を試してください。
Q. WSUS 環境で KB890830 だけ更新できない場合の対処は?
A. WSUS 側で KB890830 が「承認済み」になっているか確認してください。承認されていても失敗する場合は、症状④の「WSUS クライアント情報リセット」または症状②の「プロキシ設定リセット(netsh winhttp reset proxy)」を試してください。
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